カメラ用語集【決定版】|初心者がまず覚えたい32語を図でやさしく解説

カメラ用語集 決定版 カメラ初心者向け

「F値が小さい明るいレンズ」「APS-Cで換算75mm」……カメラを調べ始めると、暗号のような言葉がたくさん出てきます。この記事では、カメラ選びや撮影でまず覚えておきたい32の用語を、5つのグループに分けて、図を使いながらやさしく解説します。

全部を一度に覚える必要はありません。わからない言葉に出会ったときに、辞書のように見返してください。

カメラ本体の用語

1. センサーサイズ

センサーは、レンズから入ってきた光を受け取って写真にする部品で、カメラの心臓部です。大きい順に「中判」「フルサイズ」「APS-C」「マイクロフォーサーズ」「1型」などがあります。大きいほど暗い場所に強く、背景もぼけやすくなりますが、本体やレンズも大きく高くなります。

実際の大きさの比較は「コンデジの選び方と比較」の図がわかりやすいので、あわせてご覧ください。

2. 画素数

写真を作っている点(画素)の数で、「約2400万画素」のように表します。多いほど細かく写り、あとから一部を切り出しても画質を保ちやすくなります。ただし、多ければ画質がよいとは限らず、データも重くなります。SNSや一般的なプリントなら、2000万画素前後で十分です。

3. ミラーレスと一眼レフ

一眼レフは、カメラの中にある鏡(ミラー)で光をファインダーに導く仕組みのカメラです。ミラーレスはその鏡をなくし、センサーが受けた映像を電子的に表示します。鏡がないぶん小さく軽く作りやすく、いま各メーカーの新製品はミラーレスが中心です。

4. ファインダー(EVF/OVF)

目を当ててのぞき込む窓のことです。ミラーレスは小さな画面に映像を映す「EVF(電子ビューファインダー)」、一眼レフはレンズを通った光をそのまま見る「OVF(光学ファインダー)」です。EVFは、明るさや色が撮る前に確認できるのが強みです。背面の液晶だけで撮ることは「ライブビュー撮影」と呼びます。

5. 手ブレ補正(ボディ内/レンズ内)

手の揺れによるブレを打ち消す機能です。センサーを動かす「ボディ内手ブレ補正」と、レンズの中の部品を動かす「レンズ内手ブレ補正」があります。入門向けのミラーレスにはボディ内補正がない機種も多く、その場合はレンズ側の補正が頼りです。レンズ名の「IS」(キヤノン)、「VR」(ニコン)、「OSS」(ソニー)などが手ブレ補正付きの印です。

6. 連写(コマ/秒)

シャッターボタンを押し続けて連続で撮る機能で、1秒間に何枚撮れるかを「約15コマ/秒」や「15fps」のように表します。10コマ/秒以上あれば、子どものスポーツやペット、動物園の動物なども撮りやすくなります。

7. マウント

カメラとレンズをつなぐ接続部分の規格です。キヤノンは「RFマウント」、ソニーは「Eマウント」、ニコンは「Zマウント」、富士フイルムは「Xマウント」など、メーカーごとに違います。基本的に同じマウントのレンズしか付けられないので、最初のカメラ選びは「これから買い足すレンズ選び」でもあります。

レンズの用語

8. 焦点距離(○○mm)

レンズ名に付いている「24mm」「200mm」などの数字で、どれくらいの範囲が写るかを決めます。数字が小さいほど広く写り、大きいほど遠くのものが大きく写ります。下の図は、フルサイズのカメラで焦点距離を変えたとき、写る範囲がどれくらい変わるかを計算して描いたものです。

焦点距離ごとに写る範囲の違いを示した図

焦点距離が2倍になると、写る範囲の幅はおよそ半分になります。24mmで写る幅に比べて、200mmでは約8分の1の幅しか写らない、つまり遠くのものがそれだけ大きく写るということです。

9. 画角(広角・標準・望遠)

写る範囲を角度で表したものです。おおまかに、35mm以下を「広角」(風景や室内向き)、50mm前後を「標準」(人の目の感覚に近い)、85mm以上を「望遠」(人物のアップや遠くの被写体向き)と呼びます。焦点距離が数字、画角はその見え方、と考えるとわかりやすいです。

10. 35mm判換算

同じ焦点距離のレンズでも、センサーが小さいと写る範囲が狭くなり、望遠寄りになります。そこで、フルサイズで撮った場合の焦点距離に置き換えて比べるのが「35mm判換算」です。コンデジのレンズが「24-200mm相当」のように書かれているのはこのためです。

センサー換算の倍率50mmのレンズを付けると
フルサイズ1倍50mm相当
APS-C約1.5倍(キヤノンは約1.6倍)約75mm相当(キヤノンは約80mm相当)
マイクロフォーサーズ2倍100mm相当
1型約2.7倍約135mm相当

11. 単焦点レンズとズームレンズ

焦点距離が1つに決まっているのが「単焦点レンズ」(例:35mm、50mm)、範囲の中で変えられるのが「ズームレンズ」(例:18-45mm、70-200mm)です。単焦点は明るくて背景がぼけやすく、ズームは1本で広い場面に対応できるのが強みです。

12. 開放F値(明るいレンズ)

そのレンズで一番小さくできるF値のことで、レンズ名の「F1.8」「F4-5.6」などがこれです。開放F値が小さいレンズを「明るいレンズ」と呼び、暗い場所でも速いシャッタースピードで撮れたり、背景を大きくぼかせたりします。「F4-5.6」のように2つ書かれているズームレンズは、望遠側にすると開放F値が大きく(暗く)なるという意味です。

13. 最短撮影距離

ピントが合う一番近い距離です。センサーの位置から測るので、レンズの先からの距離はもっと短くなります。料理や花、小物を大きく撮りたいなら、この数字が小さいレンズが向いています。

14. レンズキット/ダブルズームキット

本体と標準ズームレンズがセットになったものが「レンズキット」、さらに望遠ズームレンズも付くものが「ダブルズームキット」です。別々に買うより割安になることが多く、はじめての1台におすすめです。

明るさ(露出)の用語

15. 露出

写真の明るさのことです。明るすぎることを「露出オーバー(白とび)」、暗すぎることを「露出アンダー(黒つぶれ)」と言います。露出は、このあと説明する「F値」「シャッタースピード」「ISO感度」の3つの組み合わせで決まります。

F値・シャッタースピード・ISO感度で写真がどう変わるかを示した図

16. F値(絞り)

レンズの中の「絞り」という穴の大きさを数字で表したものです。F値を小さくすると穴が大きくなって光がたくさん入り、背景が大きくぼけます。F値を大きくすると光は減りますが、手前から奥までくっきり写ります。風景ではF8前後、人物や花で背景をぼかしたいときは開放F値付近がよく使われます。

17. シャッタースピード

シャッターが開いて光を取り込む時間で、「1/1000秒」「1/60秒」のように表します。速くすると動きがピタッと止まり、遅くすると動きが流れて写ります。遅くしすぎると手ブレの原因になります。

手ブレしにくい目安として、昔から「1/(35mm判換算の焦点距離)秒より速く」と言われます。たとえば換算100mmなら1/100秒より速く、が目安です。手ブレ補正があれば、これより遅くしても止められることが多くなります。

18. ISO感度

センサーが受けた光をどれくらい増幅するかを表す数字です。数字を上げると暗い場所でも明るく撮れますが、上げるほど画質がざらつきます。晴れた屋外ならISO100〜400、室内や夕方はISO800〜3200あたりがひとつの目安です。最近のカメラは、ISO感度を自動で調整する「ISOオート」も便利です。

19. 段(だん)

明るさの変化を表す単位です。1段明るくすると光の量は2倍、1段暗くすると半分になります。F値、シャッタースピード、ISO感度は、どれも次のように1段ずつ並んでいます。

設定1段ずつの並び(左ほど明るい)
F値F1.4 → F2 → F2.8 → F4 → F5.6 → F8 → F11 → F16
シャッタースピード1/30 → 1/60 → 1/125 → 1/250 → 1/500 → 1/1000秒
ISO感度3200 → 1600 → 800 → 400 → 200 → 100

たとえば「F値を1段小さくして(F4→F2.8)、そのぶんシャッタースピードを1段速くする(1/125→1/250秒)」と、明るさは同じまま、背景のぼけと動きの止まり方だけを変えられます。手ブレ補正の性能が「5段」と書かれているのも、この単位です。

20. 露出補正

カメラが決めた明るさを、自分の好みで明るくしたり暗くしたりする機能です。「+1」で1段明るく、「−1」で1段暗くなります。白い雪や明るい空が入ると写真が暗くなりやすく、黒っぽい背景だと明るくなりやすいので、そんなときに使います。

ピントとぼけの用語

21. AF/MF

カメラが自動でピントを合わせるのが「AF(オートフォーカス)」、自分でレンズのリングを回して合わせるのが「MF(マニュアルフォーカス)」です。普段はAFで十分で、金網越しや細かい被写体でAFが迷うときにMFが役立ちます。

22. AF-S/AF-C

AFの動き方の種類です。「AF-S(シングル)」は一度ピントが合うとそこで止まり、止まっているものに向いています。「AF-C(コンティニュアス)」はピントを合わせ続けるので、動くものに向いています。キヤノンでは「ワンショットAF」「サーボAF」と呼びます。

23. 被写体検出AF(瞳AF)

カメラが人の顔や瞳、動物、鳥、乗り物などを自動で見つけて、ピントを合わせ続けてくれる機能です。検出できる対象は機種によって違い、動物や鳥、鉄道や飛行機まで見分けられるカメラもあります。初心者でもピンぼけが大きく減る、ありがたい機能です。

24. 被写界深度

ピントが合って見える範囲の「奥行き」のことです。範囲が狭いことを「被写界深度が浅い」と言い、ピントを合わせたところ以外が大きくぼけます。F値を小さくする、被写体に近づく、焦点距離を長くするほど浅くなります。

25. ボケ

ピントが合っていない部分がやわらかくにじむことです。日本語から生まれた言葉で、海外でも「bokeh」として通じます。背景を大きくぼかしたいときは、被写界深度を浅くする3つの方法に加えて、被写体と背景の距離を離すのも効果的です。

色・画質・記録の用語

26. ホワイトバランス(WB)

白いものが白く写るように色を調整する機能です。電球の下では黄色っぽく、日陰では青っぽく写りやすいのを補正します。普段は「オート」で十分ですが、わざと「太陽光」や「曇り」に固定して、夕焼けの赤みを強く残すといった使い方もできます。

27. RAWとJPEG

写真の保存形式です。JPEGはカメラが色や明るさを仕上げて小さくまとめた形式で、すぐにスマホへ送ったりSNSに載せたりできます。RAWはセンサーが受けた情報をほぼそのまま残した「生のデータ」で、あとから明るさや色を大きく直せます。RAWを写真に仕上げる作業を「RAW現像」と呼びます。迷ったら、両方を同時に保存する設定にしておくと安心です。

28. 色の仕上げ設定

撮る前に写真の色合いや雰囲気を選べる機能です。富士フイルムの「フィルムシミュレーション」、キヤノンの「ピクチャースタイル」、ソニーの「クリエイティブルック」などがあります。同じ景色でも、鮮やかにしたり、落ち着いた色にしたりと印象を変えられます。

29. ノイズ

写真に出るざらつきや色のまだらのことです。ISO感度を上げたときや、センサーが小さいカメラで暗い場所を撮ったときに出やすくなります。

30. ダイナミックレンジ

明るいところから暗いところまで、どれくらいの幅を同時に写し分けられるかを表す言葉です。この幅が広いと、明るい空と暗い木陰が同じ写真に入っても、白とびや黒つぶれが起きにくくなります。

31. 撮影モード(P/A/S/M)

モード自分で決めるもの向いている場面
P(プログラム)なし(カメラにおまかせ)とりあえず撮りたいとき
A/Av(絞り優先)F値背景のぼけ具合を決めたいとき
S/Tv(シャッター優先)シャッタースピード動きを止めたい・流したいとき
M(マニュアル)F値とシャッタースピード(ISOも)夜景や星など、明るさを細かく決めたいとき
「Av」「Tv」はキヤノンでの呼び方です。

最初はPやAで十分です。A(絞り優先)に慣れると、ほとんどの場面に対応できるようになります。

32. SDカードの規格

SDカードには、容量で分けた「SDHC」(32GBまで)「SDXC」(32GBより大きいもの)と、速さを表す記号があります。「UHS-I」「UHS-II」は読み書きの方式で、UHS-IIのほうが高速です(カメラ側も対応している必要があります)。「U3」「V30」は書き込み速度の最低保証で、V30なら毎秒30MB以上です。4K動画を撮るなら、V30以上を選んでおくと安心です。

まとめ:まずはこの5つから

32語を紹介しましたが、最初に覚えるなら次の5つで十分です。

  1. 焦点距離:数字が小さいと広く、大きいと遠くが大きく写る
  2. F値:小さいと背景がぼけ、大きいと全体がくっきり
  3. シャッタースピード:速いと動きが止まり、遅いとブレる
  4. ISO感度:上げると明るくなるが、ざらつく
  5. マウント:付けられるレンズが決まる

言葉の意味がわかってくると、カメラの仕様表やレビュー記事がぐっと読みやすくなります。実際に撮りながら覚えたい人は「カメラ趣味の始め方【決定版】」の1か月の練習メニューも試してみてください。

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