同じ景色を撮っても、なぜかほかの人の写真のほうがまとまって見える。そんなとき、違いを生んでいることが多いのが構図です。構図とは、写真の中に「何を」「どこに」置くかを決めることです。
運営者も、構図はまだ勉強中です。そこでこの記事では、よく知られている構図の「型」を、運営者がこれまでに撮った写真に当てはめながら紹介します。型を知っておくと、撮るときに迷いにくくなり、撮ったあとに「どこを直せばいいか」も考えやすくなります。
先に結論:まず覚えたいのはこの3つ
- 主役を1つ決める:何を見せたい写真なのかを決めると、置き場所も決めやすくなります。
- 三分割構図:画面を縦横3つに分けた線の上や交わる点に、主役を置きます。
- 線を使う:道や柱などの線は、見る人の目を動かしてくれます。
ほかの型も、この3つの考え方の応用です。7つの型を早見表にまとめました。
| 構図の型 | どんな構図? | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 1. 日の丸構図 | 主役を真ん中に置く | 花、動物の顔など、主役がはっきりしているとき |
| 2. 三分割構図 | 縦横3つに分けた線や交点に主役を置く | 風景、夜景、人物など幅広く |
| 3. 導線(リーディングライン) | 道や線で、目を奥へ導く | 道、木道、川、線路 |
| 4. 額縁構図 | 手前のもので周りを囲む | 木の枝、トンネル、窓 |
| 5. 対角線構図 | 線を斜めに入れる | 建物、柱、乗り物 |
| 6. 縦位置 | カメラを縦に構える | 高いもの、縦に長いもの |
| 7. 低い位置から撮る | 目線を下げて見上げる・地面すれすれから撮る | 動物、花、見上げる建物 |
構図の前に:主役を1つ決める
構図の型を考える前に、いちばん大切なのは「この写真で何を見せたいか」を1つに決めることです。主役が決まると、どこに置くか、何を画面から外すかが決まります。

この写真は、たくさん咲いている花の中から、真ん中の1輪にピントを合わせ、画面の中央に置いています。近くの花もはっきり写っていますが、後ろの草や遠くの花はぼけているので、手前の花が浮かび上がって見えます。
主役の花だけをもっと目立たせたいときは、F値を小さくする(絞りを開ける)か、主役にもっと近づいて撮ると、周りの花もぼけやすくなります。背景のぼかし方ははじめての単焦点レンズの選び方でも紹介しています。
1. 日の丸構図:主役を真ん中に置く
主役を画面の真ん中に置く、いちばんシンプルな構図です。上の花の写真も日の丸構図です。
「日の丸構図は単調になる」と言われることもありますが、主役がはっきりしているときは、むしろ力強く見せられる構図です。花や動物の顔のように、主役そのものを見せたいときに向いています。周りの余計なものを減らし、背景をぼかすと、主役がより引き立ちます。
2. 三分割構図:線や交点に主役を置く
画面を縦と横にそれぞれ3つに分け、その線の上や、線が交わる4つの点のあたりに主役を置く構図です。主役を真ん中から少しずらすことで、写真に広がりや動きが出ます。

この夜景の写真に線を重ねると、橋の塔が左の縦線のあたりに来ています。主役の橋が左に寄っているので、右側に川や街の明かり、上に雲と月が入り、景色の広がりが伝わります。
三分割構図を使うときは、カメラやスマホの「グリッド線」を表示する設定にしておくと便利です。多くのカメラやスマホには、画面に格子の線を出す設定があり、その線に主役を合わせるだけで三分割構図になります。初心者がやりがちな失敗とその直し方は、カメラ初心者がやりがちな失敗10選でも紹介しています。
3. 導線(リーディングライン):道や線で目を奥へ導く
道や川、線路のように、手前から奥へ続く線を入れる構図です。見る人の目が自然と線をたどり、写真に奥行きが出ます。


この写真では、画面の下から木道が奥へ続いています。目が木道をたどっていくと、その先に山があります。ただ山だけを撮るよりも、手前の木道が入ることで、そこに立っているような奥行きが出ます。
曲がりくねった道や川を入れる「S字構図」も、導線の仲間です。S字構図の作例は紅葉の撮り方ガイドで紹介しています。
4. 額縁構図:手前のもので周りを囲む
木の枝や葉、トンネルの出口、窓などを手前に入れ、額縁のように主役を囲む構図です。囲まれた部分に目が向き、写真に奥行きも出ます。

この写真の鳥は、狙っていたわけではありません。飛んでくるのに気づいて、すぐにカメラを構えて撮った1枚です。結果的に、上に入った葉が額縁のような役目をして、観覧車と鳥に目が向く写真になりました。
構図の型は、こうした「とっさの1枚」を撮ったあとに見返すときにも役立ちます。「なぜこの写真がいいと感じるのか」がわかると、次に似た場面に出会ったとき、意識して撮れるようになります。トンネルを額縁にした作例は紅葉の撮り方ガイドにもあります。
5. 対角線構図:線を斜めに入れる
柱や建物の線などを、画面の角から角へ斜めに入れる構図です。水平や垂直の線よりも動きやスピード感が出ます。

この写真では、緑の支柱が画面を斜めに横切っています。オレンジの骨組みやゴンドラの色に加えて、斜めの線が入ることで、止まっている観覧車にも動きが感じられます。
6. 縦位置:高いもの・縦に長いものは縦に構える
カメラは横に構えることが多いですが、高いものや縦に長いものは、カメラを縦に構えると収まりがよくなります。スマホでは縦で撮るのが普通なので、カメラでもときどき縦位置を試してみましょう。

こいのぼりは、ポールに縦に並んでいます。縦位置にすると、ポールの高さと、こいのぼりが泳ぐ空の広さを一緒に入れられます。
7. 低い位置から撮る:目線を変える
いつも立ったままの目の高さで撮っていると、写真が似たものになりがちです。しゃがんだり、カメラを地面に近づけたりして目線を変えるだけで、同じ場所でも違った写真になります。

動物を撮るときは、低い位置から撮ると、動物と同じ目線に近づき、親しみのある写真になります。上の観覧車の2枚のように、下から見上げて撮るのも目線を変える方法の1つです。動物の撮り方は動物園・水族館の撮り方ガイドでくわしく紹介しています。
撮ったあとでも構図は整えられる:トリミング
構図は、撮るときだけのものではありません。撮ったあとに写真の端を切るトリミングでも整えられます。三分割構図で紹介した夜景も、撮ったあとにスマホでトリミングしています。

この夜景は、移動中の休憩でさっと撮った1枚です。シャッターが1秒と長いので、安全に気をつけながら、柵のようなところにカメラを置いて撮りました。そのため、橋や建物はぶれずに写っていますが、右手前の葉は風で揺れてぶれています。
トリミングで右側を中心に切ったことで、ぶれた葉がなくなり、橋の塔が三分割の線のあたりに来る写真になりました。撮るときに構図を考えるのがいちばんですが、とっさに撮った写真でも、あとから整えられることは覚えておくと気が楽になります。
ただし、トリミングすると写真の画素数は減ります。大きく切るほど、細かい部分はあらくなります。画素数の多いカメラほど、トリミングしても余裕があります。
よくある質問
Q. 構図の型は、全部覚えないとダメ?
いいえ。まずは「主役を1つ決める」「三分割構図」「線を使う」の3つで十分です。慣れてきたら、額縁構図や対角線構図など、ほかの型も試してみましょう。
Q. スマホでも使える?
はい。構図の考え方は、カメラでもスマホでも同じです。多くのスマホでは、カメラの設定で画面にグリッド線を表示できます。
Q. 日の丸構図はやめたほうがいい?
いいえ。主役がはっきりしているときは、日の丸構図のほうが伝わりやすいこともあります。大切なのは、型に合わせることより、何を見せたいかを決めることです。
まとめ
構図の基本は、主役を1つ決めて、どこに置くかを考えることです。日の丸構図、三分割構図、導線、額縁構図、対角線構図、縦位置、低い位置から撮る。この7つの型を知っておくと、撮るときに迷いにくくなります。
運営者もまだ勉強中です。まずは、撮った写真を型に当てはめて見返すところから始めてみてください。カメラ用語をまとめて知りたいときはカメラ・写真用語集も参考にしてください。


